昔、鉄道会社は男社会だった

 さような気風であろうと心がけるなかでは、有能な女性社員も続々と登場してきた。
 そもそもJRという会社は、前身の国鉄からして男社会だった。

 鉄道事業が本業だから、24時間体制でいつでも動ける体でなくてはならない。
 昼夜逆転や深夜勤務は当たり前。
 その昔、1980年代末に「24時間、戦えますか。」というテレビCMのキャッチコピーが流行ったが、鉄道マンからすればごく当たり前のことだった。

 いまの時代にはとてもなじまないといわれそうだが、安全にインフラを維持せねばならないという立場上、高校、大学を卒業して新人で入ってきた社員たちには皆、心身のどこかにそういう気概というか心構えというものがある。
 全員が駅員としての勤務を通し、日々の安全運行を目指しながら、突発的なトラブルやダイヤの乱れに対応した経験をもつ。

 私も初任地は、いまもJR隅田川(すみだがわ)駅としてある貨物駅で、その後は山手線の指令室でも勤務した。

 いつでもどこでも働ける体、なんでも起こり得るのだという心構えが、自然と身につくのが当社である。

 本来なら、女性のこまやかな神経が生かされる場面は多々あるはずなのだが、体力的なことを考えると、やはり男性陣が中心にならざるをえないのが国鉄であり、そして分割民営化直後のJR九州だった。

☆ps.
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