いずれにしても共通するのは、行動が予測不能な「通り魔」であるということだ。誤解を恐れず言えば、地域の安全を脅かす極めて危険な存在と表現していいだろう。そんな危険な通り魔から、交番や駐在所に勤務する警察官の安全を守るための対策は急務なのだ。

駐在所なら逃走していた可能性

 ところで「派出所」「交番」「駐在所」…。よく耳にするが、違いはあまり知られていないのではないだろうか。

 派出所は2016年まで連載された人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」でおなじみだが、警察署の出先という意味でそう呼ばれていた。1994年の警察法改正で交番が正式名称になったが、こちらの由来は「交代で番をする」であり、24時間体制で警戒に当たっている。今や「KOBAN」は世界でも通用するワードで、地域の安全を守るのに有効と評価され、導入する国も増えている。

 通常は警部補クラスが所長だが、警部が所長を務める「警部交番」(警視が所長を務める交番も)もある。都道府県によって「幹部交番」「地区交番」「広域交番」など呼称はまちまちだが、地方の警察署と同規模であることもあり、運転免許の更新手続きや車庫証明の申請なども可能だ。

 一方の駐在所は1~2人の警察官が居住しながら地域の安全を守っている。家族と一緒に住むことが可能で、例えば警察官の旦那さんが巡回している間、奥さんが電話対応や来訪者の対応などに当たることもある。

 一般的には交番は都市部、駐在所は地方に設置されていると理解していただければ分かりやすいと思う。

 仙台の事件では、一緒に勤務していた同僚が暴漢の制圧に成功した格好だが、「もし」襲撃したのが駐在所だったら、警察官だけでなく家族も殺害され、拳銃を奪って逃走していた可能性もあったのだ。間違いなく付近住民は大パニックになっていただろう。

警察官も生身の人間

 交番や駐在所に勤務する警察官がふだん所持しているのは、拳銃や警棒のほか、警察手帳、手錠、警笛、無線機などだ。