他の課長のプレゼンは「ロジカルに傾聴」する

 一方、他の課長がプレゼンをしているときには、私は「ロジカルに傾聴」することを意識していました。「ロジカルに傾聴」とは、プレゼンに耳を傾けながら、「それは事実か?」「なぜ、そうなのか?」「論理的に正しいか?」「意思決定できるか?」の4つの観点で質問を考えること。要するに、「部長が意思決定するうえで必要な条件が揃っているか?」という問題意識をもちながら傾聴するということです。

「部長の視座」で他の課長のプレゼンを聞くと言ってもいいでしょう。
 おそらく、プレゼンが終わったら、部長が気になる点について質問を投げかけるでしょう。この時に、自分が部長だったらどんな質問を投げかけるかを考えます。そうすることで、部長の質問と自分の考えを比較することで自分の視座の高低を測るのです。そして、部長の質問が一段落したところで、意思決定において最も重要だと思われるポイントについて、一点に絞って質問をするようにしていました。

 当たり前のことですが、これは他の課長のプレゼンの“アラ”を探すということではありません。あくまで、その提案がGOサインを得るために確認すべきことを質問するわけです。だから、いくつかの質問があったとしても、それを矢継ぎ早に聞くようなことはすべきではありません。相手を精神的に“追い込む”ことになりかねないからです。

 ただ、たった一つの質問であっても、その視点が鋭くて、意思決定を大きく左右するようなポイントを突いていれば、非常に効果的です。なぜなら、部長の意思決定を大きく後押しすることになるからです。意思決定者は常に緊張を強いられますから、的確なサポートを得られるととても助かるのです。そして、そんな質問をしてくれる部下に対する信頼感を厚くしてくれるに違いありません。