課長クラス以上のマネジャーにとって「会議術」は、チームの生産性を上げるために必須のスキルです。ところが、私たちには「会議術」を体系的に学ぶ機会がほとんどありませんから、悩んでいるマネジャーも多いのではないでしょうか? そこで、ソフトバンク在籍時に「会議術」を磨き上げ、マネジャーとして大きな実績を残した前田鎌利さんに『最高品質の会議術』(ダイヤモンド社)をまとめていただきました。本連載では、その内容を抜粋して掲載してまいります。

遠慮はするな、謙虚であれ

 課長クラスのマネジャーにとって、部の定例会議は非常に重要なものです。比較的「軽い案件」であれば、部長との1on1ミーティングでGOサインを得ることができますが、部全体にある程度のインパクトを与えるような案件であれば、部の定例会議においてプレゼンをして意思決定を勝ち取る必要があります。

 そのためには、部長からの信頼はもちろん、他の課長からの信頼も勝ち得ておく必要があります。言い方を換えると、同列の課長のなかで軽んじられたらアウト。一定の「存在感」を発揮しなければならないのです。そこで、部の定例会議における振る舞い方に注意が必要。ここでは、その基本的なスタンスについてお伝えしたいと思います。

 念のために言い添えますが、他の課長から信頼を勝ち取るためには、自分のチームの運営を堅実に進めるとともに、他の課長たちの立場を考慮したうえで、随時、協力したり、相談に応じたりすることが欠かせません。常に誠実に対応するのが基本中の基本です。そのうえで、部の定例会議で下図のポイントを意識するとよいでしょう。

 まず第一の鉄則は、「遠慮はするな、謙虚であれ」です。
 特に、新任課長の場合には、先輩格の課長たちに囲まれると、つい気遅れしてしまいがちですが、いつまでも「私は課長になったばかりなので発言を控えます」などと言うのはNG。先輩に対する敬意は必要ですが、「課長職」という役割を果たすうえでは、並列の立場にあることを忘れてはなりません。妙な“遠慮”は、課長職としての自覚を疑われるだけ。チームを任されたマネジャーとして、言うべきことははっきりと物怖じせずに発言することが不可欠です。

 もちろん、言うまでもないことですが、我を押し出すのがいいわけではありません。謙虚であることは必須です。そもそも、部の定例会議におけるコミュニケーションの主導権は部長が握りますから、部長の発言に応じる形で発言するのが基本。そして、何かを尋ねられたときには、求められたことに対して、ロジカルかつ的確に回答する。このときに、妙な遠慮をせず、率直に話すことが重要なのです。

 なお、これは自分の部下にも徹底します。チーム内のあらゆる会議、あらゆる場面で「遠慮はするな、謙虚であれ」という姿勢を当然のこととして求める。これも、チーム内の会議を活性化するうえでも、部下を育成するうえでも非常に重要なポイントなのです。