でも、私を痛めつけているのは、本当に「その困った当事者」なのだろうか。誰かが不当に苦しむ同じ社会の中に、私も生きている。だから私も苦しくなるのではないだろうか。それは、無理やり自分に言い聞かせているのではなく、私の本心からの思いだ。そして、少しだけ距離を置いて休息を取り、また火花や煙の立つ現実に戻り、取材を続けることを繰り返している。

政治家にとって
生活保護や貧困とは何なのか

片山さつき大臣に「生活保護」や「貧困」を語ってほしくない理由本連載の著者・みわよしこさんの書籍『生活保護リアル』(日本評論社)好評発売中

 政権の中で政治を動かせる立場にある方々には、法のもとで他人の生命や健康や財産を奪うことが許されている。日本の有権者たちが、選挙によって託した権限だ。権限は、その重みを感じながら行使してほしい。政策決定の行方は、影響を受ける人々の暮らしぶりの変化や、溜息や絶望や苦痛として見届けてほしい。人間と暮らしは、数字を眺めているだけでは理解できない。

 少なくとも生活保護では、1954年以後、「適正化」が重ねられ強化された。しかし、「生活保護問題」とされるものが解決されたわけではあない。逆に、「適正化」のたびに新しい問題が生み出されてきた。今は「適正化」路線そのものを疑うべき時期ではないだろうか。私は、そう考えている。

 ともあれ私は、片山さつき氏の「口利き」疑惑について、政治の影響を受ける日本人の1人として、事実が解明されることを望む。そして、何があっても片山氏の日常が損なわれず、心身の健康が保たれることを願っている。

【参考】

2016年8月20日 片山さつき氏ツイート(「貧困女子高生」に関して)

片山さつき氏著書『正直者にやる気をなくさせる!?福祉依存のインモラル 』(オークラNEXT新書) 

片山さつき氏公式ブログ

(フリーランスライター みわよしこ)