第二に、増税による増収分を使って来年10月から教育の無償化を始めるので、これで増税の悪影響もある程度緩和されると言われますが、これは本当でしょうか。当たり前の話ですが、教育無償化の恩恵を受けられるのは子どもがいる世帯だけで、単身世帯や夫婦だけの世帯には関係ありませんので、やはり効果は限定的と考えるべきです。

 第三に、政府はこの機にキャッシュレス化も進めようと、中小小売店での買い物を対象に増税分の2%をポイントで還元しようとしていますが、これもうまく行かないと思います。それは、特に地方の中小小売店では、経営する側もお客さんも多くが高齢者だからです。そうなると、お店の側ではキャッシュレス対応の機械をうまく使いこなせず、お客さんの側もカードや電子マネーでの決済に慣れていないので、混乱するだけではないでしょうか。

1つの政策で2つの目的を追う
ポイント還元の「怪しい効果」

 余計なことを言うと、このポイント還元がダメなのは、1つの政策で負担の軽減とキャッシュレス化の促進という2つの政策目的を達成しようと欲張っているからです。1つの政策で達成する政策目的は1つにすべきであり、たとえば中小小売店では当面の間消費税を8%に据え置けばよかったのに、経産省がキャッシュレス化という余計な政策目的も同時に達成しようとするので、現実にはうまく行かない机上の空論の政策となってしまうのです。

 第四に、増税の度に必ず行われる負担軽減策である住宅・自動車の購入への減税措置が今回も行われるようですが、これも実際には景気への悪影響を防ぐ効果が大きいとは思えません。軽自動車を除けば、住宅や自動車を購入できるのは一定水準以上の所得がある世帯に限られるからで、低所得者層はその恩恵に預かれないからです。

 他にプレミアム付き商品券の発行も検討されているようで、これはある程度の効果が期待できるでしょう。しかし、消費税増税の悪影響が最も大きいのは低所得世帯であることを考えると、現在政府が検討している悪影響の緩和策は、全体としてはあまり効果が期待できません。