高額商品を購入するときに使える「ギャップ法」
お客様自身が抱えている課題や問題、願望や欲求を強めてあげる、とはいってもそれはどうすればいいのでしょうか?
強め方としては、その商品サービスを買う前の「現状」と、商品サービスを買った後の「理想」のギャップをできるだけ大きくすることです。
それを買っても現状とさほど大きく変わらないなぁと思ったらお金を払う価値は無くなります。
例えば高級ブランド時計を販売するとしましょう。
お客様は、そこそこ良い時計を付けてはいるものの、高級ブランド時計の価格は、その時計の何倍もするため、躊躇しています。
「お客様もとても素敵な時計をされていて時計がお好きなのは伝わります。こちらお値段は3倍以上しますが、長年に渡って楽しんでいただけますし、何よりも資産価値があります。単に古くなって価値がゼロになる他の時計と違って(暗に今の時計を指している)、古くなればなるほど、中には買った値段よりも高く値段が付くものもございます」
ここでは、暗に、現状の時計は、付けていたら資産価値がゼロになる時計だと示唆し、高級ブランド時計は長年付けていても資産価値があり、中には増えることもあると理想を上げています。
さらに、「高級時計は成功者のステイタスです。エグゼクティブクラスの方は時計が好きな方が多いですから、付けている時計を見るだけで、その人の評価が上がるものです」
と、相手の権威欲やステイタスに訴えかけることで、さらに理想の状態を上げるのです。
優秀な販売員は、「一度お付けになってみてください」と時計を付けてもらい、購入後の自分の理想の姿までイメージさせるのです。
ここまでくれば、もうお客様は欲しくてたまらない状態になっているはずです。
現状と理想のギャップを広げて、相手の「欲しい!」を引き出す。
多くのお客様は現状の認識も、理想の認識も甘いものです。
だから、こちらが教えてあげることで、その商品サービスを購入する必然性を強めてあげるのです。
ここまで来たら、クロージングの言葉は短く簡潔に15秒で!
「とってもお似合いですよ!お客様は、この時計の品格に本当にピッタリです。お子さんの代まで大切にして下さい。この時計もお客様に選ばれたら喜びますよ」
話し方コンサルタント・トップ講師プロデューサー 株式会社web-school.tv代表取締役
大学生の頃よりラジオDJを始め、1998年に大阪人気No.1のFM802主催の新人DJオーディションに合格。その後FM愛知や文化放送でラジオオDJとして10年間活動。番組降板により挫折し不動産投資会社の営業に転職。話し方を武器にさらに営業力を磨き、2年目にトップ営業になる。2008年にはその営業力が認められ倒産寸前だったロープライス眼鏡会社の取締役営業本部長に就任し、当時64店舗から110店舗への躍進を支える。またインターネットカフェ最大手にて社外取締役を歴任。2012年、ラジオDJとしての話し方の技術、営業力、組織マネジメント力、経営経験などを生かし、組織人事コンサルタント会社のリンクアンドモチベーションにてナビゲーター(研修講師)、ファシリテーターとして活動。大手企業からベンチャーまで年間100件以上登壇、延べ2万人以上の人たちと接する。研修講師の採用や育成の責任者も兼任。新人やマネジメント研修、エグゼクティブへのスピーチ・プレゼン指導、組織活性ワークショップ、働き方改革の為のロジカルシンキング講座などを得意とする。自身の経験から「学びでこの世界を豊かにする」を理念として活動中。著書に『ビジネスマンのためのスピーチ上手になれる本』(同文舘出版)がある。社会人のための「話し方動画教室オンライン」運営。