給料や年金が増えにくいなか、来年10月からの消費増税は家計を直撃する。痛手を避けるにはどうすればいいのか。白物家電を早めに買うことや、酒や薬を備蓄しておくことなど、増税に負けない“得技”を探ってみた。
2019年10月から、消費税率は今の8%から10%に上がる。1989年の導入時は3%だったが、97年に5%、14年に8%まで引き上げられていた。毎日の買い物のたびに税金を取られていることに、納得できない人は多いだろう。
今度の増税まで1年もない。何が“買い”で、何が“待ち”なのか。買うべきものとして思いつくのは、金額の大きな商品だ。
例えば「人生最大の買い物」と言われる住宅。土地には消費税はかからないが、建物にはかかる。3千万円の物件なら、消費税は240万円から300万円に跳ね上がる計算だ。買う予定が決まっていれば早めに買うのが得策だが、焦りは禁物だ。流通アナリストの渡辺広明氏はこう指摘する。
「前回の増税後に個人消費が大きく落ち込んだこともあって、政府は住宅や自動車を買う人向けに、減税や補助金などの優遇措置をとる方針です。ひとまず12月までは様子を見て、国の対策を見極めましょう。その上で、必要な人は早めに買えばいいのです」
住宅を買う場合は「引き渡し」がいつになるかが重要だ。戸建て住宅や新築マンションの場合は、増税前に契約していても、来年10月以降の引き渡しになると増税後の税率が適用される。注文住宅では19年3月末までに契約していれば、引き渡し時期に関係なく税率は据え置きだ。
政府が10月15日に増税を改めて表明したことで、ある住宅メーカーの営業担当は、「すでに複数の駆け込みがあった」と明かす。
「住宅メーカー側は年明けから3月末まで、相当数の駆け込み消費があると見込んでいます。売り上げを分散させたいので、早めに契約してもらったほうが、値引きはしやすいと思います。増税後の値下がりを期待する人もいますが、可能性は低い。東京五輪を控え建設業界は人手不足で、戸建て住宅価格は上昇傾向です」
結婚や引っ越しなどで住宅購入が決まっている人は、「焦らず急げ」といったところだ。