それ、急ぎますか?という内容で、そもそも習近平の23日の港珠澳大橋の開通式典出席も、橋は走って逃げないから(あ、親父ギャグですね)、いくらでも変更できただろう。

習近平氏を礼賛する書籍が置かれた本棚北京の銀座の王府井書店では、入り口正面に習近平氏を礼賛する書籍が置かれている。こういう書店が増えている Photo:H.T.

 2本目も習近平のニュースで、アナウンサーがうるさいほど、シジンピン、シジンピンとくりかえす。そういう習近平ワンマンショーのあと、李克強の話になり、安倍首相訪中は4番目にやっとちらりと出てきた。

 しかも、安倍氏が画面に写っている時間は非常に短い。

 2日目の新聞聯播のトップニュースは、やはり習近平の前日25日の広州の軍エリア訪問から始まった。

 迷彩服を来た習近平が、南部戦地のコントロールセンターでテレビ会議をしている。

 軍にいる習近平は、普段よりイキイキしている。

 その後やっと安倍首相と会う映像になった。横長の部屋で窓をバックに話す習近平はとにかく偉そう。ドア側に座らせられた安倍氏はどこか落ち着かないような様子。

 あとは安倍氏と李克強との式典や共同記者会見の様子も移されたが、全然トップニュースではない。

 ネットのニュースでの扱いは私が見る限り、”普通”である。どちらかというと経済の利を訴えたものが多かった。

 かたや日本のメディアを見れば、「わが国の首相がこんなに中国で高待遇を……」の連発である。

“仕事”してんなぁ。

 習近平は日中平和友好条約締結40周年の記念レセプションにも出ず、ODAの終了にせめて一言挨拶(あいさつ)をするわけでもなかった。

 昨今のイノベーションブームの中国のこと、広州はロボットのニセ習近平だった……、という可能性は否定できないが、ちなみにトランプが中国に来たときは、到着の日に習近平夫婦が自ら故宮を案内している。それも“超特別バージョン”でという、「スペシャル待遇」だった。

 もちろん、アメリカにそこまでしたのに輸入制限をかけやがって……、というほど中国は子どもではない。単に官僚4000年の国、“扱い”でいろんなことをアピールすることに長けているのである。