日程の最後の最後に設定された
習近平との会談
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ここで安倍氏の北京でのスケジュールを見てみよう。
写真は安倍氏ご夫妻が宿泊した、北京の長富宮飯店のプレスルームに張り出された予定表である(当日の夕方6時頃。これはなかなか面白いので、もし画像が転載されていないサイトで読んでいる方は、ダイヤモンド・オンラインで見てほしい)。基本的にこの後、大きな変更はなかった。
中国では、北京首都国際空港で、中国側の誰が出迎えたかもけっこう重要なファクターなのだが、中国の到着映像報道では、中国側が映る瞬間にカットされ、はっきりしない。
安倍氏ご夫妻は、当日、午後4時頃、ホテルに到着すると、従業員が並んで拍手する赤絨毯(じゅうたん)の上を歩いてエレベータまで進んだ。後ろには、お供の日本人官僚の長い列が続いた。従業員たちは安倍首相到着まで何度も拍手の練習をしていた。
それから移動して、李克強との懇談や写真展参観、日中平和友好条約締結40週年レセプション、李克強との私的晩餐会出席などで、この初日に習近平の姿はない。
午前中に広州にいた習近平がこのとき、北京に戻っていたかどうかはわからない。
2日目は、朝から栗戦書全人代常務委員長との会談(人民大会堂)、その後、同じ場所で歓迎式典、あの並んだ兵隊の前を歩いていくやつである。
ちらりと映る天安門と“君が代”をバックに、李克強と歩く安倍総理の映像を見てちょっと感激したが、トランプのときはもちろん習近平が一緒に歩いた。
その後、また李克強と会談、署名式、共同記者発表、第三国市場協力フォーラムと続き、李克強の昼食会に出て、市内からはけっこう離れた北京大学で学生と交流した。
この時の安倍首相は、非常に疲れて見えた。思わず、相手を疲れさせて交渉を有利に持っていく中国4000年の伝統を実行かと思ったぐらいである。
ここを離れたのが夕方の4時ぐらい。
そして、安倍首相がついに念願の習近平と正式に会談したのは夕方の5時半すぎ、すなわち最終日の最後の夕方である。