マツダが「お家芸のRE」復活で目指す意外な戦略とはロータリーエンジンを搭載したマツダ最後の市販車、RX-8 Photo:MAZDA

ロータリーエンジンを電動車両のため
発電専用エンジンとして復活

 マツダは10月、お家芸ともいえる「RE(ロータリーエンジン)を電動車両のための発電専用エンジンとして復活させる」と発表した。2020年に発売するBEV(バッテリー充電式電気自動車)に搭載するという。すでに発電専用REの開発は進められており、将来的には1機種のREを使い、その発電能力と電池搭載量を変えることでPHEV(プラグインハイブリッド車)およびシリーズHEVにも対応するという。

 マツダは記者会見で「30年までには、すべてのマツダ車を何らかのかたちで電動化する」と語った。オルタネーターを発電機兼小出力モーターとして使うISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)や48V電源を使うマイルドHEV、あるいはBEVなど、いわゆる“xEV”化する計画だ。そして全体の5%程度がBEVになると想定している、という。

 REを発電専用に使う理由は、(1)小型コンパクトなユニットである(2)低振動・低騒音(3)部品点数が少ない、というメリットがあるからだ。マツダの発表資料には、シングルローターREと電動モーターを横置きにして車両前部に搭載する図が掲載されていた。つまりマツダのBEVと、航続距離を延ばすために発電専用REを搭載した車両はFFベースである。また、マツダはトヨタ、デンソーと共同で17年に設立したEVCAスピリット(本社:名古屋市)で基盤技術の開発を進めているが、その共同開発技術を使ったEVは、REレンジエクステンダーとは別の車種として商品化する。