(1)「開かない」「呼ばない」をまず考える

 推計された時間数を見ると、端的に会議の開かれる数が多すぎます。会議時間が多くの人件費を費やすコストであることを会社全体で意識し、必要とされる人と議題を絞り込むことが、第一の原則になります。

 また、育児や介護などで制限された時間しか働くことのできない人、テレワークや在宅勤務のマネジメントにおいても、このことは重要さを増します。「会議を開く」ことに依存した意思決定は、設定できる会議時間帯が少ないこれらの人を意思決定から排除してしまうことに繋がります。実務上、時短社員の「会議設定時間が限られる」ことに悩むマネジャーは多いですが、修正すべきは、そもそもの会議の数が多すぎることのほうかもしれません。

(2)「司会」を1人立てる

 事前準備をして資料を共有するのにも、時間はかかります。それよりも「司会」「ファシリテーター」役をきちんと明確化すべきです。

(3)「どう始めるか」より「どう終わるか」に注力する

 終わり良ければ全て良し、逆に終わりが悪ければせっかくの議論に意味がなくなるのが、会議というコミュニケーションのようです。

「ムダ会議指数」を増やすのは
テレビ会議と議事録文化

 副次的な分析結果として、興味深い結果も見られました。影響度は高くないものの、「遠隔会議(テレビ会議)」の普及、そして「議事録文化」が有意に「ムダ会議指数」を増やしていました。これは推論にはなりますが、以前だったら出張・訪問などで外出していれば呼ばれなかった会議が、遠隔会議システムの発展で出席可能になったこと、さらに、いまだ遠隔会議システムにしばしば感じられる音声・接続トラブルや、議論のしにくさが影響している可能性はあります。

 議事録文化については、確かにどんな会議においても丁寧な議事録がとられる風習は、ムダを増加させそうです。詳細過ぎる議事録をつくる、作成した議事録を一度確認してから回すなど、会議の後工程を増やしています。議事録文化は医療福祉系、飲食・接客サービス系の職種で多いことが確認されており、読まれない議事録は要点だけにするなどの見直しを考えてみても良いかもしれません。

(株式会社パーソル総合研究所 主任研究員 小林祐児)


■調査概要
「パーソル総合研究所・中原淳(2017-8)長時間労働に関する実態調査」 第一回・第二回共通
調査対象者:全国20-59歳の正社員  ※企業規模10名未満は除外
対象人数:6000人(上司層1000人、メンバー層5000人) 合計1万2000人
調査期間:第一回調査2017年9月、第二回調査 2018年3月
※第一回と第二回は別サンプルでの調査実施

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