その結果、金融庁が2018年9月に発表した「投資信託等の販売会社における顧客本位の業務運営のモニタリング結果について」によれば、主要銀行の投資信託販売額に占める毎月分配型投資信託の割合は2016年度末の71%から、2017年度末は43%にまで減少した。

金融教育は武器だけでなく盾にもなる

 筆者が金融教育を普及させるために法人を設立して半年が経とうとしている。金融教育を事業としてやっているという話をすると、「どうやったらお金が増えるか教えてくれるのか?」という反応を多く受ける。やはり、金融教育は資産運用や投資と関連付けられ、結果的に資産を増やす武器として捉えられる向きがあるようだ。それ故に、子どもに金融教育をしたいと言うと、「投資は危ないからだめだ」という声も残念ながら聞かれる。しかし、筆者は資産運用や投資というのは金融教育の一部でしかないと考えており、そもそもそのような連想がされてしまう現状を変えてしまいたいと思っている。

 つまり、金融教育は武器だけでなく盾になる。これまで、特殊詐欺や金融商品の勧誘について実例を混ぜて述べてきたが、少しでも金融の知識があれば、明らかにおかしいと自分で判断できる。

 たとえば特殊詐欺の例でいえば、そもそもスマホをタップするだけで月収200万円もの大金がもらえる訳などない。国税庁が2018年9月に発表した「平成29年分民間給与実態統計調査結果」によれば、1年を通じて勤務した給与所得者の年間の平均給与は432万円である。1年間働いても平均で400万円強しかもらえない中で、スマホをタップするだけで半年分程度のお金をもらえることがあるだろうか。

 毎月分配型の投資信託の件も同じである。仮に年率換算した配当利回りが10%の投資信託があったとしても、その投資信託が何に投資をしているかを一目見ればその利回りが異常な事には気づけるだろう。仮に投資先が格付けの高い海外の国債であり、その債券の年率換算の利回りが2~3%だった場合、残りの7%はどこから来るのだろうか。

 そもそも、世の中にはそんなにうまい話は存在しない。仮にリスクを取らずにリターンを得る方法が発見されたとしても、すぐに全員が同じ行動をすることで、その方法は効果を失う。世の中のあらゆるものはリスクとリターンの関係の上にあり、ノーリスク・ハイリターンのものなど存在しない。金融教育を受ければ、これらの基本的な感覚は幼少期から身に付けることが可能になる。