成人年齢が20歳から18歳に引き下げることが閣議決定された。これに対して若者の責任感の欠如などデメリットばかりが取り沙汰されている。そんな中、「今こそ若者の金融リテラシーを育むチャンス」と語るのは、高校生の“金融知力”を競う「エコノミクス甲子園」を主催するNPO法人金融知力普及協会事務局長の鈴木達郎氏だ。(清談社 岡田光雄)

140年ぶりに成人年齢改正
グローバルスタンダードに

成人年齢引き下げで、若者への金融リテラシー教育がより必要になります。
成人になれば、親の同意なくローンなどを組め、クレジットカードも作ることができる。一方、日本では学校でも家庭でも、若者への金融や経済に関する教育があまりにもなされていない Photo:PIXTA

 6月13日、成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法が、参院本会議で自民、公明、維新などの賛成多数により可決・成立した。日本では約140年ぶりの成人年齢の見直しだが、W杯開幕の前日に“しれっと”決まり、ちまたでは「いつの間にか可決されていた」という声も多い。

 今回の改正案は、国民投票法や選挙権を18歳以上に引き下げた公選法改正の流れの中で進んできた経緯があるが、可決により18歳は次のことができるようになった。

・親の同意なくローンなどを組む
・携帯電話やクレジットカードの契約
・民事裁判を起こす
・公認会計士や行政書士など各資格取得
・水先人を養成する講師や社会福祉主事などになる
・民生委員と人権擁護委員の資格取得
・10年パスポートの取得
・外国人の帰化
・性別変更の審判請求
・女性の結婚(16歳から18歳に引き上げ)などだ。

 日本政府の狙いとしては、少子高齢化が進む中で経済活動人口を増やしたい、将来的には18歳からも年金を徴収したい、国際基準にそろえたいといったところだろう。

 18歳を成人としている国はイギリス、イタリア、ドイツ、フランス、オーストラリア、州によって異なるがアメリカとカナダなども。先進国では「18歳成人」がスタンダードなのだ。

「こうした国際的な状況もありますし、可決・成立された以上は、ただ手をこまねいているわけにはいきません。今こそ、未成年のうちから金融リテラシーを身に付けるいい機会といえます」(鈴木達郎氏、以下同)