農業ベルトが北に拡大している。カナダのアルバータ州北部は寒さの厳しい時期が長く、人里離れた場所が多い。ラクレテに向かって北上するハイウエー88号線の周囲数百マイルに生えているのは、ほぼトウヒ(マツ科の針葉樹)とポプラだけだ。ムースへの注意を促し、ガソリンを満タンにするよう勧める標識も見える。農家は主に小麦、キャノーラ、大麦を生産してきた。夏があまりに短かったため、農業を営むディッキー・ドリードガーさん(56)は、育たないトウモロコシでも庭に植えてみようかと妻に冗談を言うこともあった。だが今、ドリードガーさんは実際にトウモロコシを栽培している。同様に、アルバータ州北部では多くの農家が森を切り開いて畑にし、トウモロコシ生産を増やそうとしている。トウモロコシや大豆の生産が進むとの観測を背景に、ラクレテ付近の土地は10年前の5倍近い金額で取引されている。
温暖化でコーンベルト拡大、カナダ極寒地でも
土地が10年前の5倍近い金額で取引されているところも
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