肝炎ウイルスの内服治療が可能な時代に
肝臓がんはますます減少へ

 B型肝炎、C型肝炎は、それぞれB型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)が血液や体液を介して体に感染することにより発生します。感染の原因や、感染した時の体の健康状態によって、一時的な感染に終わる場合(一過性感染)と、慢性的に感染が持続する場合(持続感染)に分かれます。

 一般的に、B型の方がC型よりも感染力が強いですが、慢性化する可能性が大きいのはC型です。B型肝炎が慢性化するのは、妊娠中や出生時に母から子に感染する場合と3歳未満の乳幼児期に感染する場合がほとんどです。さらに、B型肝炎ウイルスにはワクチンが存在し、予防接種が可能です。

 ちなみにA型肝炎は、経口感染が原因で慢性化することは基本的にありません。頭痛、発熱、倦怠感など風邪の症状に類似する場合があります。一度感染すると強い免疫が残り再感染のリスクは基本的にはないと考えられます。他にもD型、E型、F型肝炎が確認されていますが極めて少数なので通常は注目されません。

 ところで、B型やC型肝炎がしばしば問題になるのは、現在では考えられないことですが、予防接種の注射針の再利用や感染症のスクリーニングが不完全な輸血製剤の投与などの医療行為が原因で感染することがあるからです。医療行為によってB型肝炎、C型肝炎が発生するのは看過できない事態です。そのようなことから、これらの肝炎に対する治療法はここ最近で急速に発展してきました。

 1990年代からは、インターフェロンと呼ばれる治療薬を用いた治療がこれらのウイルス性肝炎に対して可能になりました。ただし、長期間通院して注射を打ち続けなければいけない、相応の副作用があるなどの理由から、治療に進まない患者さんが相当数見られました。しかし、ここ最近は内服薬による治療が可能となり、特にC型肝炎はこの内服治療により95%もの方がウイルスを完全に排除できるようになっています。