鈴鹿医療科学大学 豊田長康学長Photo by Mikio Usui/BEANS

日本は研究者が圧倒的に足りない――。『週刊ダイヤモンド』12月8日号の第一特集「日本人はもうノーベル賞を獲れない」で、日本の科学技術立国の危機について詳細なデータで詳しく分析している鈴鹿医療科学大学の豊田長康学長に現状を聞いた。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 委嘱記者 村井令二)

――豊田学長は、日本の大学の基礎研究について詳細なデータで分析しています。

 研究力は論文数に一番反映される。2002年頃から日本だけが論文数が停滞して減少している。中国の伸びが急激だが、英国、ドイツにも抜かれて日本は5位だ(図1参照)。

 特に、日本が得意だったはずの「理工系」の論文数が減少しているのは厳しいものがある。

 そして、人口当たりの論文数でみると先進国で最も少ない。英国・ドイツと2倍の開きがあって、スイスから5~6倍の開きがある(図2参照)。