学校では「学習指導」「生徒指導・進路指導」「学級経営・学校運営業務」の他にも、範囲が曖昧なまま、教員が担ってきた業務があった。

 そこで、文部科学省・中央教育審議会(中教審)では「学校における働き方改革特別部会」を設置し、業務を仕分けしたところ、必ずしも教員が担う必要のない業務が8種類、教員の業務ではあるが負担軽減が可能な業務が6種類あることがわかった(*3、図参照)。

文科省「学校における働き方改革まとめ(中間報告)」
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 さらに、学校現場ではごく最近までタイムカード等による勤務管理がなされていなかったため、残業を抑制してこなかった。

 その理由は、1971年、教員の仕事は複雑で管理が難しいという理由から「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)」によって、教員の給与には「教職調整額」としてあらかじめ給料に週2時間弱の残業代(給料月額4%)が上乗せされてきたからだ。それ以上の時間外労働は「自発的行為」とみなされる。

 このことが、実際には時間外労働による脳・心臓疾患で過労死しても、公務災害と認められず、補償を受けることを難しくしている。これは長年の課題だった。

 文科省は時間外勤務手当を導入すると、「国と地方で少なくても9000億円」と試算している。つまり、教員は9000億円のサービス残業をしていることになる。

 そこで、中教審の働き方改革特別部会では「長時間労働」と「サービス残業」を適正化するための話し合いがなされており、12月6日、答申の最終報告案が提示される。

*3 文科省「学校における働き方改革まとめ(中間報告)」

10年後に再議論する
「1年単位の変形労働時間制」

 その答申最終報告に盛り込むべきこととして、いくつかの提案が上がっているが、特に「1年単位の変形労働時間制」導入の是非をめぐって、激しい論争が繰り広げられている。

 1年単位の変形労働時間制とは、労働時間の規制を労働基準法上の1日、および、1週単位ではなく、「1ヵ月、あるいは、1年単位等で平均労働時間を考える」ことで、今回は1年単位が提案されている。