平昌五輪カーリング女子日本代表の試合中の掛け声「そだねー」が、今年の新語・流行語大賞に選ばれた。「そだねー」という極めて素朴な言葉に、いったいなぜ人を引き付けるパワーがあるのか。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

「そだねー」が人の心を動かした
アンカリングフレーズの条件とは

カーリング女子日本代表平昌五輪カーリング女子日本代表が試合中に使っていた「そだねー」が新語・流行語大賞に選ばれた。人々の心を揺り動かす、もっとも大きなパワーがあった言葉ということだ 写真:エンリコ/アフロスポーツ

「2018ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞に「そだねー」が選ばれた。平昌五輪カーリング女子日本代表の試合中の掛け声だ。「トップアスリートから発せられるのんびりとしたやりとりは、ほっとするひと時をもたらしてくれた。マイペースで仲間を尊重し合いながらスペシャルな結果を出す、平成世代の実力を見せつけてくれた」と評されている。

 新語・流行語大賞に選ばれたということは、人々の心を揺り動かす、もっとも大きなパワーがあった言葉だということだ。私はそのようなパワーをもった言葉を、「アンカリングのあるフレーズ」と呼んでいる。

 船のアンカー(碇)が、船が停泊する時に海底にずしりと落ちて、海底に響くがごとく、そして、アンカーと鎖の重さで、相当な重量の船を停泊させるほどのパワーを持つように、アンカリングのあるフレーズは、人の心をゆさぶり、人を動かすパワーを持つ。