このような、ふるさと納税活用の創意工夫は、やはり民間の力を活かしたほうがいい。民間発想の大きな利点として、行政の枠を超える発想力が挙げられる。そのひとつの例が、ふるさとチョイスがこの10月から開始した「広域連携ガバメントクラウドファンディング(GCF)」だ。これは複数の自治体による、ふるさと納税を活用した共通の社会課題解決のための仕組み。「子ども」「災害復興」「ペット」「スポーツ」など、さまざまな「共通課題」に複数の自治体が協働して取り組む。それをふるさと納税で支援できるわけだ。全国各地の複数の自治体が連携するので「広域連携」だが、これはふるさとチョイスが仕掛けたプロジェクトで、このような行政の枠を超えた大がかりなコレクティブ・インパクトは、まさに民間企業だから実現できたものだと思う。

 以上のように、ふるさと納税にはまだまだ創意工夫の余地があるし可能性もあるが、それは民間の力を活かすことによって可能になる。はっきり言って、行政だけの力では無理だろう。だからこそ、須永氏も「民間が(プロジェクトを)気軽に立ち上げられるスキームの整備が望まれる」と指摘する。僕も同感だ。

【筆者からのお知らせ】
 筆者は、1型糖尿病の子どもたちなどをふるさと納税で支援するNPOを応援しています。一般に、生活習慣病として認識されているのは2型糖尿病で、1型糖尿病は自己免疫破壊による病気です。ですから、生後数ヵ月の赤ちゃんでも発症することがあります。インスリンが出にくくなる2型と違い、1型ではまったくインスリンが出ません。ですから、インスリン注射をしなければ、3日ほどで死んでしまいます。幼い子どもでも、毎日5回、血糖値を測定し、インスリン注射を行う。夜中でも血糖値管理が必要で、患者本人だけでなく家族にも多大な負担を強いられます。
 この難病の根治に取り組む認定NPO法人「日本IDDMネットワーク」の活動を、ふるさと納税で支援できます。人気の佐賀牛、有田焼の食器セットなどの返礼品もあります。ふるさと納税を使って、ぜひ難病と闘う子どもたちの支援をお願いします。
*詳細は『1型糖尿病と戦う子どもたちを「ふるさと納税」で支援しましょう』のページから。