(5)DC(確定拠出年金)

 2000年代(平成12年)に入ると、バブル崩壊による株価の低迷と、金利低下のダブルパンチによって、それまでの確定給付型の企業年金の多くが行き詰まり、代表的な企業年金制度だった厚生年金基金が代行部分を返上する「代行返上」によって縮小して「企業年金基金」(通称「DB」)に衣替えしたり、基金自体を解散したりするケースが増えた。

 運用業界にとっては、過去に想定しなかった大変化だったが、考えてみると金融業者ではない一般の企業が大きな運用リスクを負う確定給付型の企業年金は、経営的に合理的ではなかった。

 代わって2001年(平成13年)から登場したのが確定拠出型年金(通称「DC」)だ。率直に言って、企業年金を確定給付型から確定拠出型に移行する際に、加入者は実質的に損をしたケースが多いが、企業の事情を考えるとやむを得ないと考えられる。

 確定拠出年金は、当初企業に向けて営業される企業型を中心に普及が進んだが、2016年(平成28年)から加入対象者が拡充されたことで、平成の終わりにかけて個人型確定拠出年金(通称「iDeCo」)も普及が進みつつある。

 確定拠出年金は、個人が税制面でメリットを得ながら資産形成ができる手段なので、「なるべく大きく」「リスク資産の運用部分を集中させて」、かつ「手数料の安い商品を選ぶ」形で利用したい。残念ながら、合理的に利用していると評価できる加入者は極めて少ないのが現状だ。

(6)毎月分配型投信

 毎月決算を行って分配金を毎月支払う「毎月分配型」の投資信託が登場したのは1990年代の後半だが、分配金を強調するセールスが特に高齢者に受けて、投資信託の一大勢力となった。

 金融論的に評価すると、毎月分配するという仕組みは合理的ではないし、現実の商品には手数料が高すぎるものが多く、全くお勧めできないが(お持ちの方には即刻解約をお勧めする)、「セールスしやすいので、よく売れた」のが現実だ。