深刻な視野の狭さと思考劣化が目立った「平成最後の年」に学ぶこと
今年を総括すると、政策の変化よりも重要な論点がある。それは、野党、メディア、さらには一部の一般人に至るまで、日本人の視野の狭さと思考劣化が目立ったことだ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

政治では3大改革が実現も
野党の政策批判に見る視野の狭さ

 2018年は政策の面でも多くの変化がありました。しかし今年を総括すると、もしかしたら政策の変化以上に留意すべき大事な論点があるような気がします。それは、政策を判断・評価・批判すべき立場にある野党、メディア、さらには一部の一般人にも共通する「視野の狭さ」です。

 まず、政策の面から今年を総括すると、今年は前半こそ“働き方改革”というキャッチフレーズが踊るだけであまり改革が進みませんでしたが、後半になって一気に改革が進んだと評価できるのではないかと思います。

 実際、秋の臨時国会では、48日という短い会期であるにもかかわらず、外国人単純労働者の受け入れ(入管法改正)のみならず、インフラ事業への民間参入(水道法改正)、漁業権の民間開放(漁業法改正)という強固な岩盤規制の改革も実現しました。

 もちろん、これだけの短期間で3つもの大きな改革を実行したのですから、外国人単純労働者受け入れを巡る国会での政府の説明からも明らかなように、どれも制度が円滑に機能するか、国民の不安を払拭できるかといった点で問題が多かったことも事実です。

 その意味で、これらの政策には批判すべき部分が非常に多いのは事実ですが、法案の審議を巡る報道を見ていて同時に強く感じたのは、野党の批判のダメさ加減です。

 たとえば、外国人単純労働者の受け入れを巡っては、技能実習生受け入れ制度の問題点や法務省の調査の不備などを批判し、最低賃金以下で働かされる外国人労働者の悲惨さを訴えるくらいで、政策論として外国人単純労働者受け入れの是非を論じたり、制度の具体的な問題点を指摘するようなケースは、非常に少ないまま終わりました。

 また、漁業権の民間開放を巡っては、企業に漁業権を付与したら個人で頑張っている漁師の生活が脅かされるといった類の主張ばかりで、世界的に見れば漁業は成長産業であるにもかかわらず、日本では衰退産業となっている現実にどう対応すべきかといった、具体的な政策提言はほとんどありませんでした。