では、「年収別」に軽減税率の影響について見ていこう。

 世帯主の年収が200万円未満の世帯は、年間2万4198円の負担増となるが、軽減税率によって9497円軽減されるため差し引きで12万1174円となり、現状から1万4701円の負担増にとどまる。

 一般的に、消費支出は年収が高いほど増えるため、消費増税による負担増加額は年収とともに大きくなる。実際、1500万円以上の世帯は、負担が9万3433円増加するが、同時に軽減税率による負担軽減額も大きくなり1万8338円軽減され、現状からの負担増は7万5095円となる。

 痛税感を金額で測るとすれば、年収が高くなるほど消費税率引き上げに伴う痛税感は大きくなるが、軽減税率は実質的に“富裕層への補助金”として機能するといえる。

消費税負担率は
年収が低いほど大きい

 世帯年収に占める消費税負担額の割合(消費税負担率)で見ると、200万円未満の世帯で8%と、平均的な世帯の4.1%と比較すると大きくなっている。消費税負担率は、年収の増加とともに小さくなり、1500万円以上の世帯では2.3%にすぎない。

 一般的に、年収の低い世帯の方が、消費性向(所得に占める消費支出の割合)が大きいため、年収と比較した場合の消費税負担が重くなる「消費税の逆進性」が見られるのだ。

 一方、低所得者に配慮する観点から導入される軽減税率は、逆進性を一部緩和することがわかる。年収に占める軽減税率導入による負担軽減割合は、200万円未満の世帯で0.62%と、平均的な世帯の0.21%の3倍である。この割合は、年収が増えるにつれ小さくなり、1500万円以上の世帯では、0.09%まで低下する。

 背景には、軽減税率の対象となる「飲食料品(酒類および外食を除く)」が消費支出に占める割合であるエンゲル係数は、低所得世帯ほど高くなることが挙げられる。