「地球温暖化に伴う気候変動などにより、水害等の自然災害の頻発化、激甚化が懸念される」
これは、損害保険会社を監督する金融庁が、2018年秋に公表した行政方針の一節だ。
監督官庁があえて懸念を表明したのには訳がある。それは、「近年、海外では北米のハリケーンなどで(中略)巨額損害が生じており、国内でも自然災害リスクにかかる支払保険金が高額となる傾向にある」(金融庁)からだ。
実際、17年夏には北米地域に三つの大型ハリケーンが襲来し、家屋の倒壊など十数年に1度という規模の被害が発生。翌年は落ち着くかと思いきや、今度は日本国内で台風や豪雨による大きな自然災害が多発し、なんと18年に起きた風水害のうち三つが、過去の支払保険金額において10位以内に入ってしまうという異常事態になっている。