哲学界のロックスターが語る「世界が存在しない」意味Photo:PIXTA

ドイツの若き天才哲学者マルクス・ガブリエルの
ドキュメンタリー番組まとめる

 本書『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する』は、「欲望の資本主義」「英語でしゃべらナイト」「爆問学問」「ニッポンのジレンマ」「人間ってナンだ?超AI入門」「ネコメンタリー」など、異色の番組を次々と世に送り出してきた敏腕プロデューサー丸山俊一の手による、ドイツの若き天才哲学者マルクス・ガブリエルのドキュメンタリー番組「欲望の時代の哲学~マルクス・ガブリエル 日本を行く~」を、一冊の本にまとめたものである。

 本書の主役であるガブリエルは、2009年に29歳の若さでボン大学の哲学科教授に就任した、ポスト構造主義(ポストモダニズム)以降の「新実在論(new realism)」の旗手として、今、世界で最も注目されている「哲学界のロックスター」である。

 ドイツ語、英語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語、フランス語、中国語のみならず、古代ギリシャ語、ラテン語、聖書ヘブライ語などの古典語にも精通しており、2013年に刊行した『なぜ世界は存在しないのか』(原題:Why the World Does Not Exist)は、哲学書としては異例の世界的ベストセラーとなった。