これをさらに年代別に表したものが図2です。年代が上がるごとに、「とくに何も行っていない」と回答した人の割合が増えていくことがわかります。

雇用の流動性が低く「経験」重視
自主的に学ぶ意欲が必要なかった

 以上のように、日本では自主的に学ぶ人が少なく、加齢とともに一層学ばなくなっている実態があります。こうした状況はなぜ生まれているでしょうか。

 その理由として考えられるのが、日本では組織内での「経験」が非常に重視されていることです。日本では雇用の流動性が低く、多くの人が特定の組織内での経験を基に仕事をする状態が続いてきました。これにより、自主的に学ぶ意欲や機会があまりなかったのではないかと考えられます。

 もしも安定成長の経営環境が続くのであれば、こうした経験をもとにした仕事の仕方でもそれほど問題は生じません。しかし、今日のような不確実で非連続な変化が起こる経営環境では、過去の経験だけでは対応が難しく、また過去の学びの賞味期限も短くなります。つまり、継続的かつ定期的な学びを得て、知識・情報・技術をアップデートしなければ、個人も組織も成長を遂げることが困難になるのです。

 リカレント教育による学び直しは、経営環境の変化に対応する観点から重要と言えるのです。

 また、リカレント教育は多様性をもたらし、イノベーションを生み出す観点からも重要と言えます。

 まず多様性について考えみましょう。従来、属性に基づく多様性が意識されてきましたが、いま経営学で注目されているのは、個人が多様な経験や知識を持つことで生まれる「個人内多様性」(Intrapersonal Diversity)です。