今回の赤道州の流行でも、エボラウイルス病の検査や薬剤の使用に関しては、WHOや他の欧米の機関もムエンべ教授には一目置いており、新しいワクチンや新薬剤の使用に関しても、彼の許可がない場合には、事実上、使用できないという状況である。

エボラが
広範囲に広がった理由

 2014年から2015年までに、それまでは、コンゴ民主共和国が流行の中心だったエボラが、西アフリカで発生した。2013年12月にギニアの、シエラレオネとリベリアの国境地帯で発生し、これがそれぞれの国の首都に飛び火し、そして全国に広がっていった。

 コンゴ民主共和国で死亡者が300人以上にならなかったエボラが、なぜこれほどまで広範囲に広がったのか。

 私は、いくつかの理由があると考えている。

エボラ流行の原因
まず国際社会の対応が遅れた

 まず、第1に言われているのが、このような感染症の対策に中心的な役割を果たすべきWHOをはじめとする国際社会の対応が遅れたことである。

 2013年12月には、ギニア、シエラレオネ、リベリアの国境地帯のGueckedouで発生していたエボラを放置、2014年3月には3ヵ国に拡大、WHOは8月に緊急事態宣言をしたものの、11月には3ヵ国のほぼ全地域に広がってしまった。