社食がなくても社員の健康は作れる
「白米」を炊くだけで解決できた企業も

「企業によって社員の健康寿命が異なる」というと怖く聞こえるかもしれませんが、同じ業界内で比べても、企業によって、健康診断で要注意とされるチェック項目の多さやその社員の割合には違いがあります。転職組が多い企業もありますから、一概に企業のせいとはいえませんが、働き方・働く環境によって多少なりとも健康レベルに差が出て、ひいては健康寿命も異なっていくことは否めません。

 でも、従業員が健康になれば、生産性も向上し、会社としての利益向上にもつながります。また、自社を事例としてヘルスケアビジネスに参入したり、健康経営の取り組みを切り口にメディアでの露出が増えたりする可能性も生まれます。

 そうしたことは会社の規模が大きかったり、大きな予算がなかったりしないとできないのではないか、と思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。

 例えば、「菓子パンやカップラーメンばかり食べている」「明らかに食事に気を使っていない」「よく風邪をひいて休む」など、若手社員の食や健康の問題はいろんな企業で耳にすることですが、だからといって栄養バランスの良い社食を作ることは、どこでもできることではありません。

 でも、ある中小企業で炊飯器を買って給湯室に置き、白米だけは自由に食べられるようにしたところ、若手社員がそのごはんに合うおかずを購入するようになり、食事らしい食事をするようになってきた、というケースがありました。

 また、身近な人の成功体験やリアルなエピソードにも人を動かす力がありますから、パフォーマンスが高い社員に食や健康に関するインタビューをして社内報や社内メルマガなどで伝える取り組みをしている企業もあります。

「健康」は目に見えづらい曖昧なものにもかかわらず、目に見える、わかりやすい結果が出ないと上司からの評価もされにくいので、担当の方は本当に大変だと思います。でも、有意義な取り組みは、きっと、社員から感謝されるものになるはずです。