――顧客データの取得については、当然、ユーザーが承諾した上で行っているんですよね。

 はい。GPSデータを当社が取得できるように設定をオンにした方だけです。

――顧客にとってオンにするメリットは何になるのですか。

 例えば、あるユーザーがCHANELの店舗に行くと、スマホ上で、当社でレンタル可能なCHANELのバッグをお知らせします。また、その日はCHANELの他に、LOUIS VUITTONも行ったなら、スマホアプリ上で、レンタル可能なCHANELやLOUIS VUITTONのバッグがずらりと表示される。

 従来のECであれば、顧客が自ら商品やブランドを検索する必要がありましたが、それは時代遅れです。スマホでGPS機能をオンにしてもらえば、ユーザーに嗜好にあったレンタル商品を当社からお伝えします。この利便性がユーザーにとってのメリットと言えます。

富裕層が訪れそうな場所の行動履歴を把握

 単に商品を販売やレンタルしているだけでは値下げ競争にならざるを得ません。当社はユーザーに対して、テクノロジーを活用して、似合うバッグや欲しいバッグを提案し、そのサービスを心地よく使ってもらう。それが差別化につながると考えています。

――オンにしているユーザーはどれくらいいますか?

 6割以上です。

――御社で把握しているユーザーの行動履歴はブランド店だけですか。

 いえ。高級ホテル、空港、エステ、スパ、温泉地、銀行など、富裕層が訪れそうな60カテゴリーに限定しています。

――すごいデータの宝ですね、それって。

 何に使ったらいいのか分からない、大企業と一緒です(笑)。

――レンタル用のバッグの仕入れに関しても、顧客データをかなり活用しているのですか。

 はい。カバンはいわば投資商品です。人気が高いカバンは稼働率が高くても仕入れ価格も高いのでIRR(内部収益率)は低くなる。一方で、仕入れ価格が安いカバンは稼働率は低いが数回貸すだけで元が取れるものもある。で、全体としてIRRが高くなるように計算して商品を仕入れています。

 当社と似たようなサービスを行なう企業は国内の数社以外にも、中国にも7社ぐらいあると聞いていますが、うまくいっている企業は非常に少ないようです。