スポーツ推薦入試で学生が背負わされる十字架とは写真はイメージです Photo:PIXTA

スポーツができれば
勉強はできなくてもいいという風潮

 2018年は、大学スポーツ界が大きな分岐点を迎えた年だと言えるだろう。日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題が世間の耳目を集め、かたや全米大学体育協会(NCAA)をモデルとした競技横断的統括組織UNIVAS(いわゆる日本版NCAA)が、今年度内の創設に向け具体的に議論された。

 これらの動きは、「大学スポーツが現在のあり方のままではいけない」という問題意識を共通して内在している。変革は前途多難であることが予想されるものの、いわゆる体育会系の問題点が顕在化し、新たな統括組織の必要性が社会に認知されつつある状況が生まれたことは、重要な一歩だ。

 大学スポーツが抱える課題はさまざまだが、本稿では「スポーツ推薦入試」を主題としたい。大学スポーツに関する研究を専門としている、早稲田大学スポーツ科学学術院・小野雄大助教(スポーツ教育学)に協力をお願いした。