人生うまくいく人の感情リセット術Photo:PIXTA

相手に嫌われている状態というのは、実にストレスが溜まります。なんとかして、自分を嫌っている相手の心を解かすことはできないものでしょうか。新著『人生うまくいく人の感情リセット術』を出版した精神科医の樺沢紫苑氏が、同書の中から、脳科学と心理学に基づき、相手の「嫌い」を「好き」に変える効果的な方法を教えます。

なぜキビ団子をもらったくらいで
犬たちは桃太郎の家来となったか

 相手に抱いた「嫌い」を「好き」に変えるコツがあるのと同様に、相手が自分に抱える「嫌い」を「好き」に変えるコツもあります。

 たしかに非常に難しそうに見えますが、そんな不可能を可能にする方法があります。

 昔話『桃太郎』はご存じですね。お腰につけたキビ団子。道中で遭遇した犬にキビ団子を与えると、犬は桃太郎の家来となり、鬼退治に同行します。続いて会ったサルとキジにもキビ団子を与えると、やはり家来になるのです。

 なぜ犬、サル、キジは、キビ団子をもらったくらいで、桃太郎の家来となり、命がけの鬼退治に同行することを決めたのでしょうか?

 その理由は、「返報性の法則」にあります。

 人は他人から親切にされると、何かその人にお返しをしないと気が済まない感情に支配されます。これを「好意の返報性」と言います。