2019年3月31日までの契約であれば、
増税後の引渡しであっても、税率は8%が適用

 ここで気をつけたいのは、リフォームなどを行う場合です。

 消費税額は、物件の引渡し時点の税率により決定しますが、もし売主にリフォームなどを依頼し、引渡しが2019年9月30日を超えるような場合、2019年3月31日までの契約であれば、増税後の引渡しであっても、8%の税率が適用(経過措置)されます。

 また、購入後にリフォームなどを依頼する場合のリフォーム代金も同様です。

 しかし、8%から10%への引き上げに伴う、住宅購入の負担を軽減するため「住宅ローン減税」「すまい給付金」「贈与税の非課税措置」などの国の施策が、2021年12月まで利用できます。

 これらを使えば、消費税率引上げ後の負担を軽減することができます。

 さらに、売買価格や仲介手数料の値引きに応じてもらい増税分を吸収するなどの方法もあります。

 結論としては、個人の売主が多い中古マンションの場合、増税だからといって焦って駆け込みで購入する必要はなさそうです。

日下部 理絵(くさかべ・りえ)

大学在学中の2001年に実施された第1回マンション管理士・管理業務主任者試験に合格。大学卒業後、マンション管理会社勤務を経て、マンションの総合コンサルタント事務所「オフィス・日下部」を設立。女性ならではの視点で、マンション管理組合の相談や顧問業務にあたる。また、数多くの調査を通じて、中古マンションの実態に精通する。
これまでに「東京都マンション管理アドバイザー」「東京都立城南職業能力開発センターマンション維持管理科 専任講師」「一般社団法人マンション管理員検定協会 理事長」「一般社団法人マンション建替支援機構 副理事長」などを歴任。
マンションやマンション管理に関して、セミナー講師やコーディネーター、テレビ・ラジオ番組などにも出演多数。また、マンション好きが高じて、個人投資家としても区分所有物件を都心部中心に複数保有している。
主な著書に、『マンション理事になったらまず読む本』(実業之日本社)、『マンション管理組合・管理会社 これからのマンション管理ガイド』(ぱる出版)、『マンションの設備・管理が一番わかる』(技術評論社)、『目指せ! マンション管理員』(住宅新報社)などがある。