ここ2~3年、新築物件価格の上昇と供給減により、中古マンション人気が高まってきている。では、どの駅の周辺で物件は動いているのだろうか。ムック『中古マンション・戸建て はじめての中古住宅』(「週刊ダイヤモンド」別冊2016年8月21日号)掲載のデータから、売り出し件数の多いエリアを見ながら、首都圏の不動産事情を考えてみよう。

 都心6区(千代田・中央・港・文京・新宿・渋谷)の新築マンション販売戸数は、2014年7279戸、15年6080戸と減少していたが、16年の通年試算予測値は3843戸にまで落ち込むものと見られている(不動産経済研究所調べ)。2年間でほぼ半減という惨状である。

 一方で、中古マンションの売り出し事例は増加傾向にある。15年5月から16年4月の1年間と前年同期を比べると、純都心3区(千代田・中央・港)で+102.9%と倍増、都心3区(文京・新宿・渋谷)でも+60.6%と急激に増加しているのだ(住まいサーフィン調べ)。 

 「新築の供給数が減れば中古も減る可能性が高い。都心で中古を探すならここ1~2年が勝負」と住宅評論家の櫻井幸雄氏が指摘するように、中古マンションの購入を検討している人にとっては、いまが考え時でもある。

 そこで、「住まいサーフィン」を運用するスタイルアクトの協力を得て、いま、どこの駅周辺で中古マンションが売り出されているのか、15年5月から16年4月のデータを基にその件数を調査した。

首都圏上位3駅は湾岸エリア
港区エリアでも活発な動き

 まずは、「売り出し事例の多い駅ベスト10」(首都圏)のランキング表をご覧いただきたい。ベスト10のうち、7駅はタワーマンションが多い東京湾岸エリアである。

関西圏のランキングや首都圏の価格帯別売り出し事例数データなどは、現在、書店で発売中の『中古マンション・戸建て はじめての中古住宅』をご参照ください ©ダイヤモンド社 禁無断転載