一つ目は、販売台数の右肩下がりが続いており、別の柱事業が必要ということ。

 二つ目は、ディーラー事業を行なう上ではバイクの試乗車が必要ですが、その購入コストが大きいため、試乗車を使ってマネタイズする必要がありました。

 それら2つの課題を解決するためにレンタル事業に乗り出したのですが、一方で、業界全体を見渡すと、バイク離れの問題がどんどん深刻化しています。新車が売れないので、市場に出回る中古車が減り、中古車価格が上昇。それゆえ若者は買うことができず、バイク離れがどんどん進む。そうするとさらに新車が売れないという悪循環にある。業界の将来を考えると、バイク乗りを増やしていくことは喫緊の課題です。そこで大事なのは、バイクに乗るきっかけ作り。エントリーのハードルをいかに下げ、バイクを体験してもらうかを考えた結果、定額のレンタルサービスにたどり着きました。

――レンタルが増えることで、販売が減少する「カニバリ」は起きませんでしたか。

 当初、レンタルを始めた時は、販売台数が減るかもしれないとの声も上がりましたが、実際は違いました。従来の購入客に加えて、定額利用するエントリー客が増えました。

 さらに定額サービスを退会した人すべてに退会理由をアンケートで聞いているのですが、退会者の実に55%がバイク購入を理由に退会していました。つまり、購入候補車両の乗り比べのために、マイガレ倶楽部を利用してもらっていたのです。実際、業界全体では新車バイク購入者の平均年齢は約50歳ですが、マイガレ倶楽部利用者の世代も、40、50代で約7割を占めています。

 マイガレ倶楽部を始めたことによる当社のメリットは、大きく3つありました。一つ目は、先ほどお話した通り、バイク購入客が増えたこと。

 二つ目は、業績の季節変動を小さくできたことです。通常のレンタルバイク事業は、冬は利用者が減ってしまいますが、定額サービスだと年間を通じて安定収入を得られます。

 そして三つ目は、収益性の向上です。新車のバイク一台から得られる収益を考えた場合、新車として販売するよりも、定額サービスに使ったほうが、実は儲かります。マイガレ倶楽部では、新車を半年から1年間使い、その後、中古車として販売します。最新型な上にレンタルでの使用期間が短いですから、中古車としても高値で販売できる。

 加えて、メーカーからの販売台数の要請に対しても、当社の場合は必ずしも新車販売せずレンタル事業で使えますから、一定程度であれば仕入れることができます。

――足元の会員数の状況は。

 詳しい数字は開示できませんが、現在、会員数は数千人おり、年率115%で増えています。16年6月からマイガレ倶楽部ライトを始めた年は年率162%の増加となりました。数千人の内、マイガレ倶楽部が約3割、マイガレ倶楽部ライトが約7割を占めています。