リサイクル、リユースよりも
まずは「廃棄量を減らす」のが先決

 これらの3分の1ルールは法律ではなく、あくまでも商慣習である。近年は、廃棄ロスへの関心の高まりを受けて、条件を緩和している食品企業(メーカー・卸・小売り)も、大企業を中心に増えていると、井出氏は言う。しかし、食品業界の多数を占める中小企業では、まだまだ3分の1ルールが適用されているのが現状のようだ。

 これまで述べたように、スーパーやコンビニを筆頭とした事業者の構造的な問題が、食品ロスの大きな要因の1つになっている。ただし、事業者だけでなく消費者の意識改善も必要だと、井出氏は指摘する。

「3分の1ルールの改善は、事業者側が取り組む課題ですが、消費者も賞味期限に関する正しい知識を身につける必要を感じます。賞味期限をおいしく食べられる目安だと理解している人は少なく、品質劣化のリミットである消費期限と誤解している人が食品企業の人でもいます」

 食品ロスを減らすには、3R(リデュース、リユース、リサイクル)が重要だと、井出氏。そのなかでもリデュースを最優先に取り組むべきなのは世界共通だという。

「今の日本では、年間646万トンの食品ロスがあります。世界全体の食料援助量が380万トンなので、とてつもない数字といっていいでしょう。これだけの量ですと、食品ロスのリユース、リサイクルを進めるよりも、まずそもそも食品ロスの全体量をリデュース(減らす)することが先決。そのためには、国、事業者、消費者全員が深刻な問題だと認識すべきです」