しかし、フランチャイズとなってコメダを始めると、意外と早く投資資金が回収できる。しかも本部との契約は、意外とオーナー側に有利にできている。そこに秘密があります。

 フランチャイズビジネスでは、開業すると本部に対してロイヤリティが発生します。通常、加盟店はこのロイヤリティで徹底的に利益を本部に吸い上げられるものですが、コメダの場合はこれがなんと、売り上げに連動しない定額制なのです。「席数あたりいくら」という基準でロイヤリティが決まっていて、たとえば100席のお店では月額15万円程度の固定ロイヤリティになる。それ以上お客が来店すればするほど、オーナーの利益が増える仕組みになっています。

 もちろん、コメダも他のフランチャイズチェーンと同様に、食材の仕入れ費や指導費といった本部の収益源は用意しているわけですが、とにかくオーナーと共栄できるというのが他にはない特徴なのです。平均的な店舗売上は月700万円くらい、利益は月100万円以上にはなるフォーマットのため、繁盛すれば5~7年で初期投資は回収できる計算になります。

地方都市の潜在オーナーを
囲い込む周到なFCシステム

 そこでターゲットになるのが、地方の都道府県です。地元である程度のお金がある富裕層や、貯金で新しいビジネスを始めようと考えている人にとっては、コメダのオーナーは事業展開手段になっているのです。

 そもそも他の外食チェーンにはないコメダの有利な点は、生鮮食品の全国配送頻度が少なくて構わない点です。店内で使う生鮮食品は、主にキャベツ、きゅうり、トマトなどの生野菜くらい。だから広い商圏内に店舗が1つしかないような地域のオーナーに対しても、本部はローコストで商材を供給することができます。

 一方で、独特であるがゆえに地方都市ではその存在がブルーオーシャンになる。他の喫茶店との違いを出すことができ、しかもその違いは意外と全国で好感され、受け入れられている。そうした理由もあり、コメダのオーナーは名古屋や東京・大阪圏よりもむしろ地方圏に需要があるのです。

 コメダ全国制覇達成のニュースの背景には、こうした知られざる市場環境や、企業としての周到な戦略があるのです。

(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)