米フロリダ州フォートローダーデール在住のガス・シュミットさん(38)は昨年8月、テスラの新型セダン「モデル3」がようやく手元に届き興奮していた。妻とともにモデル3の横に立った写真を撮影し、ツイッターに投稿したほどだ。だが6週間後、その喜びは消えていた。低速の衝突事故でバンパーを傷つけてしまったシュミットさんは、修理工場がテスラから必要な部品を取り寄せて修理が終わるまで、3カ月も待たなくてはならなかった。修理に異例の長時間を要する状況は、テスラ顧客が直面する現実を浮き彫りにする。テスラは人気の高級ブランド車を生み出すのには成功したが、まだ業界の基本を学んでいる段階だ。テスラはここ数カ月、モデル3の生産ペースを拡大。シュミットさんのような顧客にようやく納車できるようになった。だが米国での販売台数が独BMWやダイムラー傘下のメルセデス・ベンツなど高級メーカーの実績に近づくにつれ、配送から修理、需給バランスまで、ロジスティック面で新たな問題に直面している。