また、「キツネ」というチャンネルも登録者数は9万人近い。外国人ユーチューバーが森などでキャンプやアウトドアをする様子を静かに流していくもので、派手さはないが、まさに臨場感たっぷりの模様を楽しめる。

あえて余白を楽しむ
おじさんならではの「編集」

 これらのアウトドア動画を見ていると、おじさんユーチューバーの傾向が見えてくる。まずは、動画の“編集”について。若いユーチューバーの動画の特徴は、余白部分を細かくカットしてテンポよく仕上げたり、大きな文字テロップや効果音を入れたりということが多い。また、一概には言えないが、動画の長さも10分弱ほどが多いはず。

 一方、おじさんユーチューバーのアウトドア動画は、その真逆といってもいい。とにかく動画の進みは“ゆっくり”。余白部分がたくさん見られる。

 先ほどのヒロシのキャンプ動画を見ればわかるが、例えば料理を作っている間、じっくり魚を焼いている際にはその様子をふんだんに流しているし、時には川の流れる様子を差し込むなど、あえて余白をつくるような場面さえ見られる。

 また、テロップや効果音は極めて少ない。あるいは、派手なものは使っていない。動画の尺も20分ほどのものが珍しくない。

 この違いは、「おじさんだから」と言われればそれで済んでしまう気もするが、実際にアウトドア系のおじさんユーチューバーにハマる人の話を聞くと、それだけでは言い切れない何かを感じる。例えばこんな意見だ。

「おじさんユーチューバーのアウトドア動画の良さは、疑似体験ができること。例えばヒロシの動画は、まるで見ているこちらがキャンプをしているようなカメラ視点だし、ほとんどトークも入らない。そして、料理なら作る過程を編集しすぎずじっくり見せることで、本当に自分がやっている気分になれる」(39歳男性・営業)

「都内に住んでいるし、家族や仕事の関係もあるので、なかなかアウトドアには行けない。ただ、ヒロシなどのアウトドア動画は不思議と行った気分を味わえる。『うらやましい』とか『いいな』とも思うけど、それよりも自分も参加しているような気がして、ストレス発散になる」(35歳男性・IT)

 あえてじっくりとした動画の作りにすることで、いわゆる視聴者の没入感を高めているのかもしれない。