柳井会長の下で経営ノウハウを学び、2009年には「ユニクロシューズ」の立ち上げも手掛けた。その後、福谷氏は独立。キビラを創業すると、柳井会長からこう言われたという。

「『ユニクロにいたときに、やってくれればよかったのに』と冗談交じりに言われましたよ。柳井さんは、経営者として効率を非常に重視するタイプ。キビラのビジネスモデルは靴ビジネスの悪い部分をなくし、効率を高めたという点においてよく考えられていると評価してくれたんだと思いたいですね」(福谷氏)

低コストで海外進出し
アジアでナンワーワンを目指す

KiBERAの福谷智之氏Photo by K.Y.

 創業当初は、1日に1~2足ペースでしか工場に発注できなかったというキビラだが、現在は平日に1日150~200足、週末は300~400足のペースで発注できるまでになっている。

「創業時、どの工場も相手にしてくれない中、『私がみなさんを幸せにするので、一緒にアジアの世界的ブランドを目指しましょう』という言葉を信じて一緒にやってきてくれた国内の靴メーカーは、今では他のメーカーからも注目されるほど生産数を伸ばしています。彼らとともに、まずは香港、シンガポール、台湾などのアジア諸国を中心に進出していきます。在庫を持たない今のビジネスモデルであれば、低コストでの海外進出も可能。まずはアジアでナンバーワンの靴ブランドを目指し、ゆくゆくはグローバル企業の経営者として、柳井さんに『よく頑張りましたね」と言われたいですね(笑)」(福谷氏)

 すでに、インバウンドの顧客に対しては国内と同様に注文から約4週間でオーダーシューズの提供を行ってきた実績があり、手ごたえを感じているという。

「わざわざ日本に来て注文してくださるんです。もちろん利便性もあるでしょうが、靴に足を合わせるのではなく『足に靴を合わせるべき』ということを理解していただけたのでしょう」(福谷氏)

 日本の靴ビジネスの常識を変え、女性の心をつかんだキビラ。次は日本、そしてアジアの常識さえも変えようとしている。

(記事提供:Qreator Agent)