特別養護老人ホーム(特養)の定員58万人には及ばないが、いずれ特養の入居者は重度の低所得者に限定されそうなので、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)と並んで高齢者住宅の主役になるだろう(図3)。

 サ高住と「住宅型」はいずれも介護保険施設ではない。特養や「介護付き」は介護保険の給付を得られる施設で、市町村の介護保険計画で新規開設が限定される。そのため制約のないサ高住と「住宅型」が高齢者住宅のリーダーとなる可能性が高い。

 事件のあった「住宅型」の「風の舞」は、よくある形態なのである。だが、「住宅型」と「介護付き」の違いはあまり知られていない。「介護担当の8人全員が退職」という報道内容からは、施設内に常駐する職員がいると思われかねない。そうなると「介護付き」と同じように見えてしまう。

「住宅型」で受ける介護は、
自ら選んで自由に利用できる選択型

 有料老人ホームといえば、マンションのような大きな建物に介護スタッフが常駐し、食事をはじめ入浴やトイレ、着脱などの介助をしてくれる施設といわれる。介護をすべて事業者に委ねる「お任せ型」である。これが普通のタイプで、正式には「介護付き有料老人ホーム」とされ、介護保険では「特定施設入居者生活介護」というサービス名になる。

 入居者3人に対し職員1人以上の配置が必要など介護保険の施設基準を求められる。事業者は「特定施設」として得る介護報酬のほかに、別途利用料を自由に設定できる。この点が、同じ「お任せ型」でも社会福祉法人が運営する特養とは異なり、利用料が高額となる。

 一方、「住宅型」はその名の通り多人数の単なる「住まい」である。自宅と同じ扱いだ。必要な介護サービスは、ケアマネジャーを通じて地域の訪問介護事業所や通所介護(デイサービス)事業所を選んで個別に受ける。介護保険サービスを自分で選んで自由に利用できる「選択型」である(図4)。