どちらが憎まれ役をやるか
「パパ大好き!」は黄信号

 Aさん(35歳男性)には娘が2人いる。長女は5歳、二女は2歳である。「優しいパパ」として定評があるが、ママはそれがやや気に入らない。

「自分でもわかっているんですが、僕は子どもに接するときに甘くなってしまう。しつけ関係については妻が主導権を握って厳しくやってくれているので、親のどちらかは甘くいた方が子ども的にも逃げ場があっていいのかなと思う。“憎まれ役”を買って出てくれている妻には申し訳ないのですが」(Aさん)

 Aさんの妻は、Aさんのその考えを一応理解してくれているようである。

「子どもの前で『パパは甘やかすからダメ』と叱られることもありますが、僕が甘いことに関して『気に入らないが、バランスとしてはいいだろう』と妻も言ってくれています。

 普段はなんとなくそれでうまく回っているんですが、子ども、特に上の子に定期的に『パパ好き好き期』がやってくると緊張します。

 うちの子たちは基本的にやっぱりママが大好きなのですが、波があるみたいで、たまに僕の方に思いっきり傾いてくることがあります。これが『パパ好き好き期』で、短いと数日ですが、長いと1~2週間続きます。

『パパ大好き!』だけで済めばまだいいのですが、『パパは好きだけど、ママなんか嫌い!』と言うことがあります。子どもの気持ちは気まぐれですし、叱る妻を気に入らないだけだということは、もちろん僕も妻もわかっている。わかっているとはいえ、妻はやはり面白くないようで、夫婦間で会話がなくなります(笑)。黙ってしまう妻に僕はなんと言葉をかけたらいいかわからないんですね」

 しかしAさんには事態を収束させる方策があるようだ。

「『パパ大好き期』が高じて『ママ嫌い!』が発動したとき、僕が“憎まれ役”を買って出るようにしています。妻との役割の交代ですね。『嫌い』と言ったことを反省するよう促したり、何かワガママを言ったら叱ったり。妻の前で厳しくしているポーズを見せておきたい、というのもありますが(笑)、さすがに妻にずっと憎まれ役を続けてもらうのは酷ですし。

 『パパ大好き期』が来ると何かと気を使うのは確かですね」