数字を「幅」で見る感応度分析
あなたの気持ちは分かりますが、社長の言い分も分かります。値段が上がれば販売数は下がるといった場合、その2つの数字を同時にブラすことで利益を最大化するシミュレーションを行うことがあるからです。
このように複数の前提条件(バリュードライバー)を組み合わせてシミュレーションするときに、1回ずつ数字を変えていてはスムーズな議論ができません。
こんな場面で有効なシミュレーション手法が「感応度分析」です。具体的には、次の図表のように、2つのバリュードライバーを縦軸・横軸に配置して利益をシミュレーションするというものです。
これを見れば、社長は「ああ、販売数の成長率を10%→15%に上げたとしても、値段を1,000円→950円に下げただけで利益は67万円→64万円と減ってしまうのか。やはり値段は大事だ!」と気づくでしょう。
大事なポイントは、「数字はブラして幅で見る」ということです。さらに、その幅を一目でパッと分かるといいですね。なお、この感応度分析は「データテーブル」というエクセル機能で計算できますが、詳細については本書をご参照ください。