この背景には、景気低迷は続いたものの、初任給が上がり新入社員の待遇が良くなっていること(図2)、また、初任給が比較的高い大卒者が増えていることなどがあるのだろう。

 とはいえ、このご時勢で一人暮らしができる若者は、大企業の正社員など、若者の中でも経済的に恵まれている層なのかもしれない。ということで、非正規雇用者の若者の手取り収入も計算してみた 。その結果、25~29歳では男性は月平均20.7万円、女性は18.4万円。やはりバブル期の一人暮らしの若者よりも2万円程度も多い(※2)

 ちなみに、25~29歳の非正規雇用者の約3割は大卒・大学院卒だ。非正規雇用者のうち大卒・大学院卒に限定して見ると、男性は25.0万円、女性は22.0万円にもなる。

一人暮らしの正社員より
自由にお金を使える非正規雇用の若者

 最近は人手不足で売り手市場だ。アルバイトの時給も上がっている。必ずしも正社員でなくても、月々そこそこ稼げるようになっている。非正規雇用者の場合、実家に住んでいる割合も高い(※3)。実家に住む非正規雇用の若者の方が一人暮らしの正社員の若者よりも自由に使えるお金が多いこともあるだろう。

 また、世間では「若者はお金を使わない」とも言われている。確かに、30歳未満の単身勤労者世帯の若者の可処分所得は増加傾向にあるが、消費性向は実は低下傾向にある。つまり、増えた所得をそのまま消費に回しているわけではなく貯蓄へ回している、そして、その割合は年々高まっている。若者全体として見れば、確かに「若者はお金を使わない」のかもしれない。

(※2)厚生労働省「賃金構造基本統計調査」および総務省「全国消費実態調査」より推計
(※3)総務省「親と同居の未婚者の最近の状況」