桜蔭・雙葉・豊島岡女子・渋谷幕張…。東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、保護者から圧倒的な支持を集めている。本連載では、VAMOSの学習メソッドが凝縮された最新刊『女の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)の内容から、子どもの計画・理解・反復・習慣のプロセスを体系化した「女の子の特性」に基づく学習法をお伝えしていく。

子どもの学力が伸びるとき、頭の中でなにが起こっているのか?

「わかる」はセンスではなくロジック

 子どもたちの成績は、偶然伸びるわけではありません。メカニズムにしたがって伸びていきます。あるいは、「メカニズムにしたがってわかるようになる」と言い換えてもいいかもしれません。そのメカニズムを無視して、いくら「頑張れよ」とハッパをかけてもダメなのです。

 多くの人は、わかるというのは、生まれ持った頭の良さやセンスが大きく関係していると思いがちです。

 だから、センスを磨けるようなトレーニングを期待します。難しい問題があれば、それを解くコツのようなものを知りたがるし、センスのいい考え方を学びたがります。そのトレーニングによって、頭がどんどん良くなるイメージを持つのです。

 しかし、わかるというのは、秘密のノウハウを使ったり、これまで思いつきもしなかった問題の解き方を発見したりして、突然理解できるということではないのです。わかるプロセスは、実際のところ、ジャンプすることではなく、もっとずっと地道な作業の繰り返しです。

 しかしこれは、逆に言えば、地道に繰り返していけば、誰でも「わかる」にたどり着くことができるということです。「わかる」は、センスより、ロジックなのです。

 学力を伸ばすには、気合いや根性ではなく、あるいは特別な法則を求めるのでもなく、「わかる」というブラックボックスを可視化し、その論理を理解していくことが大切です。

 女子中学校の受験問題では、基礎を押さえていることで解ける問題が多いという傾向があります。それは「簡単」という意味ではなく、女の子の場合、そもそも基礎をちゃんとやっていないような子どもは求められないということです。

 もちろん一方で、子どもの才能やセンスに違いがあることは紛れもない事実です。しかし、センスや才能に恵まれた天才など、ほぼいません。ほとんどの子どもは、センスや才能のことなど考える必要はないのです。