花粉症患者の8割以上は
2種類以上の薬の併用が必要

――それほど多いとは驚きです。

 2011年5月11~18日に「花粉症と思われる症状がある」などの条件に該当する3382人を対象にインターネット調査を行い、鼻アレルギー診療ガイドラインの重症度分類に従って調べたところ、判明しました。性別で関係なく、20歳以上では実に9割以上が中等症以上だったのです。

 軽症であれば、1種類の花粉症の薬でも症状を抑えられるでしょう。その中でもごく軽症なら、本当につらい時だけ市販薬で対処するのも一つの手だと思います。

 ところが、中等症以上の花粉症は1種類の薬では対処できません。2種類以上は必要であり、医療機関を受診しないと手に入れられません。理想を言えば、自分の花粉症が軽症、中等症、重症・最重症のどれに該当するのか? 病型として、「くしゃみ・鼻漏(鼻水)型」か「鼻閉(鼻詰まり)型または鼻閉を主とする完全型か」を知ると、より適切な薬を医師も処方できますし、自分でも選びやすくなります。

 ただそれを知らなくても、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりが頻繁に起こるようなら、1種類の薬で対処可能な軽症ではなく、2種類以上の薬が必要な中等症/重症と考えるべきです。

――なぜ2種類以上の薬が必要なのですか?

 花粉症の主な症状はくしゃみ、鼻水、鼻詰まりです。くしゃみや鼻詰まりが特に苦しい人には、抗ヒスタミン薬とともに鼻噴霧用ステロイド薬がよく効きます。ステロイドと聞くと危険視して飲みたがらない人もいますが、鼻噴霧用ステロイド薬は非常に安全な薬なので、安心して使って大丈夫です。

 また、鼻詰まりが特に苦しい人にはこれらの薬に加えて、抗ロイトコトリエン薬や抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬がよく効きます。抗ヒスタミン薬ひとつですべての症状にOK、というわけにはいきません。

 なお、鼻炎用のスプレーが市販されていますが、これはステロイド薬ではなく、当然ながら、処方する鼻噴霧用ステロイド薬とは全くの別物です。そして鼻炎用のスプレーは、私は花粉症に対し、おすすめしません。市販の鼻炎用のスプレーは血管収縮薬であり、長期的に使うと、下鼻甲介腫脹などが起こり、鼻詰まりがひどくなるからです。これを薬剤性鼻炎と呼んでいます。