医師が診療の際に患者からよく聞かれることの一つに「病気を治すために食事はどうしたらいいですか?」という質問があります。京都大学医学部特定准教授で皮膚科医の大塚篤司医師が、ニキビと食事の関係について語ります。
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私が勤務する病院の近くには、ニシンそばのおいしいおそば屋さんがあります。外来診療や研究の合間、私も気分転換をかねておそばを食べに行くことがあります。
おそばはグリセミック指数(Glycemic Index:GI)が低い炭水化物です。GI値とは、炭水化物が消化され糖に変わるときのスピードを表す数値。もともとは糖尿病などの食事指導に使われていました。GI値が低いほうが太りにくい。そのため、糖質制限ダイエットの流行とともに、GI値が低いものを選んで食べるGI食が一般の方にも広まりつつあります。
お気に入りのおそば屋さんは病院に近いため、多くの病院関係者や患者さんが利用します。テーブル間の距離も近く、周りの会話は自然と耳に入ってきます。