学生たちの就職意識にも
微妙な変化が生じている?

 社会経験がまだない大学生の就職に対する意識が、マスコミ報道や曖昧な社会風潮に左右されることはある意味で当然である。

 それゆえ、学生の就職に対する意識が、社会の実態を映し出している面もある。

 ここでは、マイナビ「2019年卒大学生就職意識調査」を見てみよう。

 同調査によると、就職にあたっての就職観として最も多いのは、「楽しく働きたい」で、33.3%。2001年から1位を続けている。

 次いで多いのが「個人の生活と仕事を両立させたい」で24.2%。こちらも19年間2位のままだ。

 一方、以前と比べ、「人のためになる仕事をしたい」(15.0%)と「自分の夢のために働きたい」(11.6%)が逆転してきているのは特徴的だ。東日本大震災以降、社会貢献に対する関心の高まりが垣間見える。

 以前と比べて意識の変化がよりドラスティックなのが、企業選択のポイントだ。

「どのような企業が良いと思うか?」という質問に対し、最も多かったのは「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」(38.1%)だが、年々、その割合は下がってきている。

 替わって、増えてきているのが「安定している会社」(33.0%)。いまのままなら、いずれトップになりそうな勢いだ。

 また、男女の違いも興味深い。「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」の割合は文系理系を問わず、女子の方が男子より高い一方、「安定している会社」の割合は男子の方が女子より10ポイント前後も高いのである。特に文系男子では2年連続して「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」 を抑えてトップになっている。

 景気は、いまや戦後最長を更新しようかというところまできているが、学生の意識は意外に保守的であり、むしろ将来への不安が高まっているようにも見える。