ついに起こってしまった
エボラ治療センターへの襲撃

 このような中、治安が悪いといわれていたカツアにおいて、エボラ治療センターが襲撃され、看護師が犠牲になってしまった。保健省の発表では次のように伝えられた。

「2019年2月24日、夜10時にカツアにあるエボラ治療センターが襲撃され、火災が発生し、逃げようとしていた看護師が小川に落ち、犠牲者となった。幸い、この治療センターに入院した10人の患者は影響を受けず、他の医療施設に移送された」。

 さらに、「その三日後の2月27日の夜、近接するブテンボのエボラ治療センターも襲撃を受け、収容されていた38人のエボラ疑い患者のうち、32人が脱走した」。このエボラ治療センターは、保健省とエボラ支援では有名なNGO「国境なき医師団」の共同運営施設である。襲撃者にとって、公的機関であろうがNGOであろうが、その区別はないのである。

 また、このブテンボの襲撃では、護衛していた警察官にも犠牲者が出てしまった。現在も、エボラが増え続けている地域の中核の医療施設を失ったことは、今後のエボラ対策の上でも大きな痛手であった。

 2014年の西アフリカで頻発した、医療施設への襲撃が再び現実として起きてしまったのである。この地域の政府、国連機関、援助機関への不信は根深く、エボラ封じ込めの政府関係者の悩みは深刻である。まだまだ、この地域のエボラ流行は終わらない。

 また、コンゴ民主共和国にはエボラだけではなく、他の感染症の脅威もある。次に流行するのは、黄熱病か、はたまた、他の新しい感染症か、油断ができない国である。

(コンゴ民主共和国保健省次官付顧問・JICA・国立国際医療研究センター医師 仲佐 保)