惑星とスペースコロニーのイラスト
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 筆者は11歳の時、スペースキャンプに参加した。そこで将来、自分が宇宙に行くことはないと悟った。1986年7月のことだ。わずか6カ月前、スペースシャトル・チャレンジャー号が打ち上げ直後に爆発事故を起こしていた。テレビの中継映像が流れたこの事故で7人の飛行士が命を落とした。キャンプが開催された米アラバマ州ハンツビルの宇宙ロケットセンターは当然ながら重苦しい空気に包まれていた。米航空宇宙局(NASA)は新たなミッションを中止し(悲劇の原因とされるOリングの欠陥についてNASAは今も調査中)、われわれ「未来の宇宙飛行士」にはこの先飛び立つ予定もなくなった。フリーズドライの宇宙食「ナポリタンアイスクリーム」を試食し、大きな岩の横で記念写真を撮り、巨大な遠心分離機による重力環境を体験した後、家路についた。

 スペースシャトルは1988年に打ち上げを再開。その後ハッブル宇宙望遠鏡や国際宇宙ステーション(ISS)を構成する区画を相次ぎ打ち上げた。だが2003年にコロンビア号が再び犠牲者の出る悲惨な事故を起こし、2011年にミッションを終了した。

 「シャトル計画は大きな可能性を示した点で目覚ましい成果だった。ただ、打ち上げを定期的かつ手頃な費用で行うとされていたのが、最終的にはどちらも実現しなかった」。ジョージワシントン大学宇宙政策研究所のジョン・ログスドン名誉教授はこう指摘する。「あまりにもリスクが高く、あまりにも費用がかかった」