「方向音痴」が言い訳にできなくなった時代

 次に、これはすでに指摘した待ち合わせの問題とも関係しているのだが、筆者にとって大きなインパクトがあったのが、GPSによる位置情報を使った「地図」である。携帯電話というか、スマートフォンが本格的に起こしたイノベーションだともいえる。

 昔は目的地に行くために、紙の地図を使っていたのだろう。とはいえ、筆者がアクティブに動く年齢になってからは、インターネット上の地図サービスがすでにあったため、パソコンで調べ駅からの道を書き写したり、印刷して持って行ったりしていた。

 ただし、当然だが、自分がいる現在地はわからないため、方向音痴の筆者は苦労したものだ。就活の面接会場や取引先への道がわからず、遅刻しそうになったこともある。

 現在はそんな心配もなくなった。スマートフォンがあれば、目的地までナビゲートしてくれる機能も登場している。同じようなことで、電車の「乗換案内」がどこにいても使えるようになったのもうれしい。もともと日本の鉄道は時間に正確ではあるものの、より一層、無駄な時間を使わずに、最短経路で目的地の最寄り駅まで着けるようになった。

 しかし、そのぶん遅刻の言い訳ができない、という側面も出てきてしまった。今どき、「道に迷ってしまって」とか「電車を乗り間違って」などという言い逃れは通用しない。内緒だが、筆者はたまに「GPSの調子がおかしくて」と機械のせいにしてごまかしている。

ビジネスパーソンの「時間」を変えたスマホ

 スマートフォンにより、電車の中の風景も様変わりした。今では、ほとんどの人がスマホの画面をにらみ、SNSをしたり、ニュースをチェックしたり、ゲームをしたり、はたまた音楽を聴いたりしている。音楽に関しては、iPodが登場してからは、たくさんのCDを持ち歩く必要もなくなり、揺れによる音飛びも心配しなくてよくなった。今は、それがスマートフォンにかわり、サブスクリプションサービスで音楽を聴いている人も多い。